ミソ医院 · 診療資料

リツオ(Re2O): 皮膚の材料を直接補充するhADMブースター

ほとんどのブースターは皮膚に「コラーゲンをもっとつくれ」と信号を送ります。リツオはアプローチが違います。皮膚を構成する材料そのものを真皮に入れてあげます。もともと熱傷治療と乳房再建手術で使われていた物質がどのようにして皮膚科に来たのか、リジュラン · ゴウリと何が違うのか、そして何を期待し何を期待してはいけないのかを整理しました。

診療資料 読了目安 約9分 2026年 レビュー 大邱ミソ医院 · 院長 李致学 한국어 · English

一行の定義

リツオ(Re2O)は韓国企業エルアンドシーバイオがつくった注射型スキンブースターで、主成分はhADM(無細胞同種真皮)です。提供された人の皮膚から細胞とDNAをすべて除去して残った細胞外基質(ECM) — コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸のような皮膚の構造材料 — を微細に加工して真皮に注入します。コラーゲン生成を刺激する方式ではなく、減った材料を直接補充するアプローチです。

ひと目で見る

リツオ 要約
製品分類注射型スキンブースター (ヒト組織由来)
主成分hADM — 無細胞同種真皮由来の細胞外基質
主な構成コラーゲン(1型 · 3型)、エラスチン、ヒアルロン酸、糖タンパク
原料提供されたヒトの皮膚 (細胞 · DNA除去後、構造成分のみ使用)
製造元エルアンドシーバイオ、大韓民国
注入方法細い針で真皮層に多点注入
所要時間麻酔クリーム塗布を含め約30〜40分
変化の時期数週にわたってゆっくり
主な目的真皮密度 · 肌理 · 小じわ · 毛穴 · 水分
解決できないこと痩せたボリューム、垂れた輪郭、深い表情じわ

hADMとは何か

まず原料から正確に申し上げます。リツオは提供された人の皮膚から出発します。この事実を伏せて説明する資料が多くありますが、知ったうえで選ばれるほうが正しいと考えます。

ただし皮膚をそのまま入れるのではありません。提供された組織は界面活性剤と酵素処理、凍結と解凍を繰り返す脱細胞化(decellularization)工程を経ます。この過程で細胞と細胞残渣、そして免疫反応を引き起こす原因である細胞抗原とDNAが除去されます。残るのは細胞が住んでいた構造物です。

残るもの — 細胞外基質

細胞外基質(ECM)は皮膚の中で細胞をつなぎ留めておく網であり足場です。ここに残る成分が1型 · 3型コラーゲン(構造の骨組み)、エラスチン(戻ってくる弾力)、グリコサミノグリカンとヒアルロン酸(水分保持)、フィブロネクチン · ラミニンのような糖タンパク(細胞が位置を定める接着点)です。

加齢とともに減っていくのがまさにこれらです。リツオの発想は単純です。減った材料をもう一度入れてあげる。

もともとどこに使われていた物質か

この部分がリツオを理解するうえで重要です。無細胞同種真皮は美容のために新しくつくられた物質ではありません。重症熱傷患者の皮膚再建、乳房切除後の再建手術、ヘルニア修復、治りにくい糖尿病性足部潰瘍のような領域で長く使われてきた材料です。自分の皮膚を採って使えない、あるいは足りない状況で、体が新しい組織をつくり出す足場を置いてあげる用途でした。

その材料を微細な粒子に加工して注射できるようにしたものが、リツオのような製品です。手術室でシート状に覆っていたものを、真皮に分けて入れる形に変えたものです。

リジュラン · ゴウリと何が違うのか

ブースターを調べていると、名前だけを並べた比較表を多く目にします。実際に重要な違いはひとつです。皮膚にやらせるのか、それとも直接与えるのか。

ゴウリのようなコラーゲンブースター(PCL · PLLA · CaHA)は、体が異物と認識する物質を入れます。その刺激に反応して細胞が集まり、その過程でコラーゲンがつくられます。効果が大きく長く続く代わりに、しこりのような負担が伴います。

リジュラン(PN)は異物反応を使いません。水を抱える網目をつくり、皮膚が自ら回復しやすい環境を整えます。刺激よりは環境を変える側です。

リツオ(hADM)は三つの中で唯一材料そのものを供給します。コラーゲンをつくれと信号を送るのではなく、コラーゲンとエラスチンを入れます。ですから皮膚が薄くなり密度が落ちた場合にアプローチが直接的です。

四つの系統の比較
区分ヒアルロン酸フィラーコラーゲンブースターリジュラン(PN)リツオ(hADM)
方式空間を満たす異物反応で誘導環境を整える材料を直接補充
主な標的ボリューム、輪郭たるみ、弾力肌理、小じわ真皮密度、肌理、毛穴
変化の時期即時数週〜数か月数週数週
ボリューム補強あり一部ありなしなし

ミソ医院はhADM系統としてリツオとセルレディエムの二つを備えています。同じ系統ですが粒子と製剤が異なるため、部位と注入の深さによって使い分けます。リツオにも粒子をより細かくしたファインラインが別にあり、皮膚が薄い部位にはそちらを使います。

コラーゲンブースター7種の比較 — 何が自分に合うのか →

こういう方に合い、こういう場合は難しい

リツオがよく合う場合

  • 肉が落ちたわけではないのに皮膚が全体的に薄く力がないと感じる場合
  • 毛穴が伸びて肌理が粗くなったことがいちばん気になる場合
  • 皮膚の内部乾燥がひどく、外にいくら塗ってもつっぱる場合
  • レーザーやリフティングを繰り返して皮膚が薄くなっている場合
  • 刺激型ブースターのしこりの負担を避けたい場合

リツオだけでは難しい場合

  • 頬やこめかみが痩せた場合 — リツオはボリュームをつくりません
  • フェイスラインが崩れて垂れた場合 — リフティング機器やコラーゲンブースターの領域です
  • 表情をつくるときに深く刻まれるしわ — ボツリヌストキシンやフィラーが適します
  • 妊娠中 · 授乳中である場合、または施術部位に感染がある場合
  • 原料がヒト由来である点が気にかかる場合 — 十分に理解できるご判断であり、ヒト由来ではない系統でいくらでも設計できます

診療室では片方だけに当てはまる方は稀です。密度が落ちているのにボリュームも一緒に痩せている場合が多く、そのときリツオだけでは満足のいく結果になりません。何が主たる問題かをまず見分けることが相談の半分です。

根拠はどこまで出ているのか

リツオについては延世大学校セブランス病院で行われた半顔二重盲検無作為化研究があります。片側の顔にはリツオをヒアルロン酸とともに、反対側にはヒアルロン酸のみを注入し、20週間比較した設計です。同じ人の左右を比較するため、個人差の影響を減らせる方法です。

結果は、リツオを併せて入れた側で皮膚密度、容積、しわ、毛穴面積、経皮水分蒸散量が複数の時点で有意に改善しました。組織を直接確認した部分では、線維芽細胞が集まる所見と新しいコラーゲン、そして基底膜タンパクの変化が観察されました。重大な有害事象はなく、軽微な紅斑と腫れは自然に治まりました。

ただし一つ申し添えておくことがあります。この研究は1回の施術後20週までを見たものです。それより長い期間にどう維持されるのかは、まだ資料が積み上がっている途中です。ですからこの資料では「何か月維持される」といった表現を使いませんでした。確認されていないことを確認されたことのように述べないほうがよいと考えます。

施術回数について — インターネットには「何回推奨」という数字がいくつも出回っていますが、研究によって定められた標準プロトコルがあるわけではありません。ミソ医院は皮膚の状態と目標を見て回数を決め、1回後に経過を確認したうえで追加の可否を一緒に決めます。

施術はどのように行われるのか

相談では主たる問題が密度なのかボリュームなのかから分けます。リツオが適すると判断されれば、製剤と注入範囲を決めます。原料がヒト由来である点は施術前に必ずご説明し、この部分が気になる場合は他の系統に設計を変えます。

麻酔クリームを20〜30分塗布したのち、細い針で真皮層に複数の地点を分けて注入します。一つの地点に少量ずつ細かく入れる方式であり、部位と皮膚の厚さに応じて粒子の細かい製剤を選択します。

施術直後には注入した箇所がふっくらと盛り上がります。薬剤が真皮に溜まって生じた物理的な膨らみであり、吸収されるにつれて治まります。

経過 — いつから見えるのか

  1. 当日
    赤みとふっくら感注入そのものによる反応です。この時点の顔は施術の結果ではありません。
  2. 1〜3日
    大部分が治まる紅斑と腫れはおおむね数日のうちに消失します。内出血がある場合はもう少しかかります。
  3. 2〜4週
    体感が始まる区間内側のつっぱりが減り、化粧が浮きにくくなったという話がこの頃から出ます。劇的な変化というより「内側が満たされた感じ」に近いものです。
  4. 2〜3か月
    密度の変化がはっきりする時期研究で密度と毛穴の指標が改善した区間です。この時点で経過を見て追加の設計を相談します。
  5. 以降
    経過観察長期維持についての資料がまだ十分ではないため、維持の可否は実際の経過を見て判断します。

ダウンタイムと施術後のケア

日常への復帰は大部分が当日可能です。ただし注入の跡が残っている一日二日は化粧で完全に隠れないことがあるため、大切な予定があるなら2〜3日の余裕を見ておかれるほうがよいでしょう。

  • 施術当日の洗顔はぬるま湯で軽く、こすらないこと
  • 当日のサウナ · 岩盤浴 · 激しい運動 · 飲酒を避けること
  • 紫外線対策を徹底すること
  • メイク再開の時期は医療者の案内に従うこと
副作用のご案内 — すべての注射施術と同様に、注射部位の腫れ、赤み、内出血、痛み、一時的な着色、アレルギー反応が現れることがあります。大部分は数日のうちに治まりますが、症状が持続したり悪化したりする場合は、必ず施術を受けた医療機関を受診してください。妊娠 · 授乳中である場合や施術部位に感染がある場合、自己免疫疾患がある場合には、施術前に必ずお知らせください。副作用の種類と程度は個人の体質と皮膚の状態によって異なります。

参考資料

  1. Acellular Dermal Matrix in Reconstructive Surgery: Applications, Benefits, and Cost, Applied Sciences. hADMの構成成分、脱細胞化工程、臨床応用分野。
  2. Efficacy and Safety of a Particulated Human Acellular Dermal Matrix Skin Booster — 延世大学校 · セブランス病院、半顔二重盲検無作為化研究 (臨床試験登録番号 NCT07155278)。結果はInternational Journal of Molecular Sciences (2026)に掲載。
  3. Comparison of Injectable and Sheet-Type Human Acellular Dermal Matrix, Aesthetic Plastic Surgery (2023). 注射型とシート型の組織反応の比較(動物実験)。
  4. ミソ医院 診療指針 — hADM製剤の選択、注入の深さ、事前説明および同意の手続き、ダウンタイムの案内。

よくあるご質問

人の皮膚でつくられたと聞きましたが、大丈夫なのですか?
原料が提供されたヒトの皮膚であることは事実です。ただし皮膚をそのまま入れるのではなく、細胞とDNAをすべて除去して残った構造成分(コラーゲン、エラスチンなど)のみを使用します。免疫反応を引き起こす原因は細胞抗原であり、それが除去されるため、同じ系統の材料が熱傷治療や乳房再建手術で長く使われてきました。提供された組織はB型 · C型肝炎、HIV、梅毒の検査と微生物検査を経て、組織バンクの管理体系に従います。それでもヒト由来である点が気にかかるのであれば、その判断は十分に尊重されるべきです。ミソ医院はヒト由来ではない系統も四つ備えており、いくらでも違う設計ができます。遠慮なくお話しください。
拒絶反応が起きたりはしませんか?
免疫拒絶は、相手の細胞に付いた抗原を体が認識することで生じます。hADMはその細胞と抗原を除去した状態であるため、拒絶反応の危険は低いと考えられています。ただし「低い」ということが「ない」という意味ではなく、どの注射施術もアレルギー反応の可能性が完全にないわけではありません。異常を感じたらすぐにご来院ください。
とても痛いですか?
麻酔クリームを十分に塗布したうえで進めます。真皮に複数の地点を分けて入れる施術のため刺激がまったくないわけではありませんが、大部分の方は耐えられる程度だとおっしゃいます。痛みの閾値は個人差が大きいので、施術中に不快であればすぐにお知らせください。
ふっくらと盛り上がった跡はいつなくなりますか?
注入直後のふっくら感は薬剤が真皮に溜まって生じたものであり、吸収されるにつれて治まります。おおむね一日二日で目立たなくなりますが、注入量と部位によってもう少しかかることもあります。一週間が過ぎても触れて分かるものが残っている場合は、来院して確認を受けられるほうがよいでしょう。
何回受ける必要がありますか?
定められた標準回数が研究によって確立されているわけではありません。ミソ医院は皮膚の状態と目標に応じて回数を決め、施術後に経過を確認したうえで追加の可否を一緒に決めます。最初から複数回をまとめてお勧めすることはありません。
リツオとリジュランのどちらを先に受けるべきですか?
解決しようとする問題によって異なります。皮膚が薄く敏感になり再生環境そのものを手当てする必要があるならリジュランが、密度と肌理が崩れて材料を満たす必要があるならリツオが先です。両方に当てはまる場合も多く、そのときは順序と間隔を設計して分けて進めます。リジュランの資料7種の比較資料に判断の基準を整理してあります。
フィラーやボトックス、リフティングと一緒に受けてもよいですか?
併用する場合は多いのですが、順序と間隔が重要です。同じ日に進められる組み合わせと時間差を置くべき組み合わせが分かれますので、受けておられる施術歴を相談の際にすべてお知らせください。
リツオの費用はいくらですか?
製剤と注入量、施術範囲、併用施術の有無によって変わります。韓国の医療法上、施術費用の掲示基準が異なるため本文ではご案内せず、相談の際に正確にご案内いたします。

作成した医療機関

この資料は大邱ミソ医院院長李致学(イ・チハク)が作成 · 検討しました。ミソ医院は成分の異なるコラーゲンブースター · スキンブースター7種 — 架橋HA(バイリズン)、液状PCL(ゴウリ)、PN(リジュラン)、hADM(リツオ · セルレディエム)、CaHA(ラディエッセ · ディクラッシー) — を備え、顔が経験している老化の種類に応じて選んで使います。一つの製品しかないところでは、その一つを使うことになります。7種がどう違うのかはコラーゲンブースター7種の比較、個別の資料はバイリズン · ゴウリ · リジュラン · セルレディエム · ディクラッシー · ラディエッセに整理してあります。

ミソ医院
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所在地大韓民国 大邱広域市 中区 東徳路125 ボムボムビル4階 (慶北大病院駅1番出口)
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本資料は施術に関する一般的な情報を提供するためのものであり、医学的な診断や治療に代わるものではありません。施術の効果と副作用は個人の皮膚状態、年齢、基礎疾患によって異なって現れ、すべての人に同一の結果を保証するものではありません。施術を受けるかどうかは必ず医療者との対面相談を通じてお決めください。

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