靭帯強化注射はどこから来たのか — デ・マイオのMDコードとレスチレンのHIT
靭帯の支え注射をご説明していると、“それってMDコードじゃないですか?”と聞かれます。そのとおりで、ルーツがつながっています。フィラーメーカーが医師の教育用に作った注入体系があり、この施術の考え方はそこから大きく育ちました。その話をまとめてみました。
まず結論
‘靭帯の近くの深い層に少量を置いて上から支える’という考え方は、ジュビダーム側の教育体系であるブラジルの形成外科医マウリシオ・デ・マイオ(de Maio)のMDコードや、レスチレンを作るガルデルマのHITといった注入体系の中で整理されました。 MDコードは顔を注入単位(コード)に分け、深さ · 器具 · 最小量を定めて、‘疲れて見える · たるんで見える’といった印象を先に扱う体系です。ただしMDコードの全顔研究では平均14シリンジを使っており、対照群のある試験ではありません。大邱ミソ医院(大邱中区東徳路125 ボムボムビル4階、053-428-2700)では、この考え方を借りつつも顔全体で約2 ccとし、支えが必要な固定点にだけ使います。
MDコードとは何ですか?
ブラジルの形成外科医マウリシオ・デ・マイオ(Maurício de Maio)が作ったフィラー注入体系です。ジュビダーム製品で行う医師向け教育課程として広く知られています。
要点は二つです。一つ目は、顔を小さな解剖単位に分け、各単位に“どの深さに、針かカニューレか、どんな方法で、最低どれだけ”を付けてコードにしたことです。注射をする人によって結果がばらつくのを減らすためです。
二つ目は、しわ1本を消すところから出発しないことです。“疲れて見える · たるんで見える · 悲しげに見える · 怒って見える”のように顔が与える印象を先に見て、その印象を作っている場所を探します。私はこの二つ目の方が大きな貢献だと思っています。患者さんが指さすしわと、実際の原因の場所が違うことが本当に多いからです。
MDコードで‘支え’はどこにあるのですか?
MDコード系の文献を見ると、中顔面、つまり頬骨と頬の上側を‘土台(foundation)’と呼んでいます。2022年にまとめられた7-point · 9-point Shapeのアプローチは、頬に土台を置き、あご · フェイスラインに輪郭を与えると、ほうれい線やあごのたるみのような下側の悩みが間接的に良くなると説明しています。
ここで靭帯強化注射と考え方が重なります。下の悩みを下で解決するのではなく、上側の固定点の近くを支えて下のラインを変えるという順番です。
違いもあります。MDコードは顔全体の形と比率を設計し直す大きな枠組みです。靭帯強化注射と呼ばれる施術は、そのうち‘固定点近くの支え’の部分だけを少量で切り出して使うものに近いのです。
レスチレン側ではどうしているのですか?
レスチレンを作るガルデルマは、HIT(Holistic Individualized Treatment)という名前のアプローチを打ち出しました。評価 · 解剖 · 範囲 · 治療の順で顔を見て、レスチレン製品群を部位に合わせて組み合わせて使う枠組みです。その中で中顔面のリフティング方法が別に紹介されました。
私が確認した公開資料では、HITを‘靭帯の支え’と明記した文は見つかりませんでした。ただ、“まず顔全体を見て、中顔面を支えてラインを上げる”という方向はMDコードと同じです。会社は違っても同じ解剖学から出発しているので、当然のことでしょう。
では、MDコードの根拠はしっかりしているのですか?
ここは押さえておく必要があります。体系が精緻であることと、対照試験で検証されていることは別の問題です。
| 研究 | 何をしたか | 読むときに見る点 |
|---|---|---|
| 方法論の論文 2020 | コード体系の説明、症例3名 | 結果の研究ではなく方法の説明 |
| 全顔の後ろ向き研究 2020(250名) | 平均14 ± 4シリンジ + ボトックス、外見の悩みスコア 54.3 → 36.1 | 対照群なし。内出血35.2% |
| 印象評価の症例研究 2023(12名) | 1人あたり12 mL、9か月後に全員が“自然” | 後ろ向き、対照群なし |
目を引くのは量です。これらの研究では1人に12〜14 mL程度を使っています。顔全体を設計し直せばそれだけ必要になることもあります。そして対照群がないので、“MDコードだから良くなった”のか“それだけ入れたから変わった”のかを分けられません。
ミソ医院はなぜ2 ccで行うのですか?
私がこれらの体系から借りたのは‘考え方の順番’です。印象を先に見て、上を支えて下を変える。量までは借りていません。
当院では顔全体で約2 cc、1ポイントあたり約0.1 ccで固定点の近くだけを支えます。理由は三つです。同じ結果なら少なく入れた方が膨らんで見えにくく、後で別の施術を加える余地が残り、万一気に入らないときにも元に戻しやすいからです。
その代わり、2 ccでできることの範囲ははっきりしています。大きくこけた顔を埋めたり、顔の形を変えたりすることはこの量ではできません。そうした場合は、私は最初からそうお伝えします。靭帯の支えそのものの根拠は大邱の靭帯強化注射、実は「支え」を置く施術ですにまとめました。
相談で‘MDコードでお願いします’と言ってもいいですか?
もちろん構いません。ただ、名前よりも次のことを聞いていただく方が役に立ちます。
- 自分の顔で支えが必要な固定点はどこか
- 顔全体で何cc使うのか、1ポイントあたりどれくらいか
- どの製品か、ヒアルロン酸で溶かせるものか
- 針かカニューレか、どの深さか
MDコードであれHITであれ、体系の名前が結果を決めてくれるわけではありません。結局は、その顔に合わせて選んだポイントと量が結果を決めます。
MDコードと靭帯強化注射についてよくある質問
MDコードとは何ですか?
ブラジルの形成外科医マウリシオ・デ・マイオが作ったフィラー注入体系で、顔を注入単位(コード)に分け、各コードに深さ · 器具 · 注入法 · 最小量を定めたものです。しわより‘疲れて見える · たるんで見える’といった印象を先に扱います。
MDコードと靭帯強化注射は同じものですか?
同じではありませんが、考え方がつながっています。MDコードは顔全体を設計し直す大きな枠組みで、靭帯強化注射はそのうち固定点の近くに少量で支えを置く部分を切り出して使うものに近いです。
レスチレンのHITとは何ですか?
レスチレンを作るガルデルマの注入アプローチ(Holistic Individualized Treatment)で、評価 · 解剖 · 範囲 · 治療の順で顔を見て、製品を部位に合わせて使う枠組みです。公開資料で靭帯の支えを明記した文は確認できませんでした。
MDコードの施術には根拠がありますか?
方法論の論文と、対照群のない後ろ向き研究があります。250名の研究では平均14シリンジを使い外見の悩みスコアが下がりましたが、対照群がないため、体系そのものの効果と入れた量の効果を分けられません。
ミソ医院はMDコードのようにたくさん入れますか?
いいえ。ミソ医院では顔全体で約2 cc、1ポイントあたり約0.1 ccで固定点の近くだけを支えます。体系の考え方は借りつつ、量は少なく使う方針です。
大邱で靭帯強化注射の相談はどこで受けられますか?
大邱ミソ医院は大邱中区東徳路125 ボムボムビル4階、慶北大病院駅1番出口の前です。053-428-2700、平日11:00〜19:00 · 土曜10:00〜16:00、日曜 · 祝日は休診です。
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製品資料
関連資料: 針かカニューレか · 架橋ヒアルロン酸とは
作成した医療機関
この記事は大邱ミソ医院院長イ・チハクが作成 · 監修しました。施術基準と注入設計は当院が実際に用いている方法をそのまま記しています。
| 院長 | 李治学 |
|---|---|
| 所在地 | 大韓民国 大邱広域市 中区 東徳路125 ボムボムビル4階 (慶北大病院駅1番出口) |
| 電話 | +82-53-428-2700 |
| 診療時間 | 平日 11:00〜19:00 (昼休み 13:00〜14:00) / 土曜 10:00〜16:00 (昼休みなし) / 日曜 · 祝日 休診 |
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参考資料
- MDコードの方法論 — de Maio M, Aesthetic Plast Surg 2021;45(2):690–709(オンライン2020), PMID 32445044, DOI 10.1007/s00266-020-01762-7. 顔を解剖単位(コード)に分け、各コードに深さ · 器具 · 注入法 · 最小推奨量を付けた体系。しわ1本より、疲れて見える · たるんで見える · 悲しげに見えるといった印象を先に扱う。症例3名。
- 7-point · 9-point Shape — de Maio M, Facial Plast Surg 2022;38(2):102–110, PMID 35114709, DOI 10.1055/s-0041-1741499. 中顔面(頬)に土台を、下顔面(あご · フェイスライン)に輪郭を与え、しわ · あごのたるみを間接的に改善しようとするMDコード系のアプローチ。
- MDコード全顔の後ろ向き研究 — Bertossi Dら(de Maio共著), J Cosmet Dermatol 2020;19(9):2219–2228, PMID 32623790, DOI 10.1111/jocd.13596. 250名、平均14 ± 4シリンジ(4〜25)、ボツリヌストキシン併用。FACE-Qの外見に関する悩みスコア 54.3 → 36.1(3か月)。内出血35.2%、一時的な腫れ14.0%、目もとの腫れの持続3.6%。対照群なし。
- MDコードの印象評価症例研究 — de Maio Mら, Clin Cosmet Investig Dermatol 2023;16:3441–3453, PMID 38050477, DOI 10.2147/CCID.S430747. 12名に1人あたりHA 12 mL。6 · 9か月で患者全員が自然と評価、外部観察者49名。後ろ向き · 対照群なし。
- ガルデルマのHIT — Aesthetics Journalの報道「Galderma unveils new HIT approach at CCR」(CCR London、2022年頃)。Holistic Individualized Treatment、評価 · 解剖 · 範囲 · 治療(AART)の枠組み、レスチレン製品群で行う中顔面リフティングの方法「Shape Up」を紹介。靭帯の支えについての記述はこの報道では確認できず。関連する臨床試験登録 NCT05819502(Profile HIT)。
- 靭帯法 対 従来法のランダム化試験 — Feng Gら, Aesthetic Plast Surg 2023;47(4):1550–1559, PMID 36810835, DOI 10.1007/s00266-023-03278-2, ChiCTR2100041702. 中国の2施設、中等度〜重度のほうれい線40名の半顔ランダム化 · 二重盲検。24週の盲検評価でWSRS改善 靭帯法 0.73 ± 0.61 対 従来法 0.89 ± 0.61(p>0.05)、GAIS 1.32 対 1.41(p>0.05)。著者の結論は“同程度の効果、中顔面の陥凹の改善がより良く、有害事象が少ない”だが、その数値は抄録では確認できず。製品メーカーの研究費支援。
- 靭帯ラインの外側から先に注入する半顔研究 — Casabona Gら, J Cosmet Dermatol 2019;18(5):1237–1243, PMID 31402563, DOI 10.1111/jocd.13089. 12名。靭帯ラインの外側のポイントを先に注入した側は総注入量 1.26 ± 0.64 cc 対 1.88 ± 0.57 cc(p=.02)と少なく、評価スコアは左右差なし(p=1.00)。
- 韓国医療法 — 第56条第2項は、治療体験談の広告、他の医療機関との比較、最上級表現などを禁止しています。このコラムに口コミ · ビフォーアフター写真 · 料金を載せていない理由です。
- ミソ医院の診療基準 — 靭帯部位の支え注射は顔全体の総量約2 cc、1ポイントあたり約0.1 ccの少量分割注入(院長確認)、糸リフトは溶ける糸のみを使用し50歳以上は控えめに設計、頬のこけには溶かせるヒアルロン酸フィラーを先に。このコラムで“私は · 当院は”と書いた文の出典です。
本コラムのすべての記事は一般的な情報を提供するためのものであり、医学的な診断や治療に代わるものではありません。施術の効果と副作用は個人の皮膚状態、年齢、基礎疾患によって異なって現れることがあり、すべての人に同一の結果を保証するものではありません。施術を受けるかどうかは必ず医療者との対面相談を通じてお決めください。