デンシティ(Density):モノポーラとバイポーラを順次使う高周波リフティング
デンシティは高周波(RF)エネルギーで皮膚の深い層を温め、コラーゲンの反応を誘導するリフティング機器です。設計上の特徴は性格の異なる二種類の高周波を一度の照射で順番に出すという点にあります。その構造が何を変えるのか、熱を扱う機器の安全上の問題は何か、根拠がどこまで出ていてどこからはそうでないのかを整理しました。
一行での定義
デンシティ(Density)は韓国企業ジェイシスメディカル(Jeisys Medical Inc.)がつくった高周波リフティング機器です。モノポーラ高周波とバイポーラ高周波を順次照射して互いに異なる深さの層を続けて扱う方式であり、製造元はこの順次発熱の構造を自社の特許技術だと説明しています。最大出力は400Wで、部位ごとに異なる皮膚の抵抗に合わせて出力を調整するRIC(インピーダンス自動調整)、表皮を保護するガス冷却、施術中のリアルタイム皮膚温度確認が併せて構成されています。
一目で見る
| 機器分類 | 高周波(RF)リフティング · タイトニング医療機器 |
|---|---|
| 製造元 | ジェイシスメディカル(Jeisys Medical Inc.)、大韓民国 |
| 照射方式 | モノポーラ → バイポーラ 順次照射 |
| 最大出力 | 400W |
| 出力補正 | RIC — 部位別のインピーダンス(皮膚の抵抗)に合わせた自動調整 |
| 表皮の保護 | ガス冷却、5段階の調節式冷却 |
| 温度管理 | 施術中の皮膚温度をリアルタイムで確認 |
| チップ構成 | ALPHA · Eye · Face · Body 4種 |
| 主な目的 | 皮膚のたるみとハリの低下 — 真皮とその下の構造 |
| 解決できないこと | 痩せたボリューム、色素、たるんだ皮膚の外科的切除 |
| 許認可 | 韓国食品医薬品安全処(食薬処)の許可医療機器 · 米州地域で発売 |
高周波リフティングが実際にしていること
高周波は光ではなく電流です。レーザーのように特定の色素に吸収されるのではなく、組織に電流が流れるとき組織そのものの抵抗のために内側で熱が発生します。温めたい層で熱がつくられるということが、この方式の要点です。
コラーゲンは一定の温度以上で構造がほどけて収縮し、体はこれを損傷として認識して回復反応を始めます。ですから期待される変化は照射直後の即時の収縮と、数週から数か月にわたるリモデリングの二筋です。前者はすぐに落ち着き、長く残るのは後者ですので、施術翌日の顔で結果を判断するのは難しいのです。
ひとつは明確にしておきます。注射施術と機器施術は扱う層が違います。注射系は真皮に材料を入れるか、つくるように刺激する側であり、密度 · 肌理 · 薄くなることがその領域です。高周波リフティングは真皮とその下の構造を熱で扱い、たるみがその領域です。「皮膚が薄くてかさついている」と「顔の線が崩れた」は互いに異なる問題であり、二つが併存する場合がよくありますが、そのときは順序を分けて設計します。注射系の区分はコラーゲンブースター7種の比較にあります。
モノポーラとバイポーラを順次使うということ
「二つとも使う」という文だけでは何が変わるのか分かりにくいものです。違いは電流がどこへ流れるかにあります。
モノポーラ — 電流が体を通過する
モノポーラでは電極がひとつだけです。チップが電流を出し、その電流は体を通って別の場所に貼ったリターンパッド(対極板)へ抜けていきます。電流が組織を横切って流れるため到達する深さが深く、熱が広く広がります。浅い層だけでなくその下まで一緒に温まるという意味です。
バイポーラ — 電流がチップのなかを行き来する
バイポーラでは二つの電極が同じチップのなかに並んでいて、電流が体を通過せず二つの電極のあいだの短い経路だけを通ります。そのため熱の届く範囲が狭く浅い代わりに、どこに入るのかが予測可能です。到達する深さがおおむね電極間の間隔に左右されるというのが、この方式の一般的な原理です。
続けて使う設計の意図
二つの方式は代替の関係ではなく担当する深さが違います。深い層にはモノポーラが、表在部を制御された範囲で扱うにはバイポーラが必要です。ひとつだけを使う機器であれば、残りの層は射程の外に残ります。
デンシティは一度の照射のなかで二つを順番に出す構造を選び、製造元はこの順次発熱(sequential heating)の構造を自社の特許技術だと説明しています。設計の意図は一度通過するあいだに互いに異なる深さを続けて扱うことと理解していただければと思います。
熱を扱う機器の本当のリスクは熱傷です
高周波リフティングの副作用のなかで、もっとも先に来るべきものは熱傷です。組織を温めることがこの機器の目的であり、その目的がそのままリスクの原因だからです。
問題は温度ではなく温度がどこに生じるかです。熱が必要なのは真皮とその下ですが、電流は表皮を通って入っていき、表皮まで一緒に熱くなればそれが熱傷です。ですから熱を使う機器の設計はほとんどが「深いところは温めて表面は冷やす」というひとつの課題に集中しており、デンシティの安全に関わる構成もその答えです。
ガス冷却 — 表面の温度を下げる
デンシティはガス冷却で表皮を冷却します。エネルギーはそのままにして表面温度だけを下げれば、熱が蓄積される地点は相対的に深くなります。冷却は5段階で調節されますが、部位ごとに皮膚の厚さと敏感さが異なり、目もとと顎の下に同じ冷却を使うのが合理的ではないからです。
RIC — 部位ごとに異なる抵抗を補正する
発熱は出力だけで決まらず組織の抵抗(インピーダンス)が併せて作用します。抵抗は皮膚の厚さ · 水分量 · 皮下脂肪によって変わり、同じ顔のなかでも額と頬が異なるため、設定を固定したまま通過すると、ある場所は足りず、ある場所は過剰になります。RIC(インピーダンス自動調整)はこの偏差を機器が読んで出力を合わせる機能であり、目的は強さを上げることではなく偏差を減らすことです。
リアルタイムの温度確認 — 当て推量をしないための装置
デンシティは施術中に皮膚の温度をリアルタイムで確認できます。施術者が感覚と経験だけに頼らず、数字を見ながら調節するという意味です。ただし確認できるのは表面の温度であり、深い層の発熱を直接測定するものではありません。有用な指標ですが、すべてではありません。
チップによって何が変わるのか
チップは消耗品であり、エネルギーが実際に皮膚へ伝わる接点です。部位ごとに必要な照射面積とアクセスのしやすさが異なるためチップを分けて使い、デンシティは四つで構成されています。
| チップ | 保証ショット数 | 主に使う場所 |
|---|---|---|
| ALPHA Tip | 600ショット | 部位と目標に応じて選択 |
| Eye Tip | 600ショット | 目もとなど狭く薄い部位 |
| Face Tip | 1,000ショット | 頬 · 顎のラインなど顔全般 |
| Body Tip | 600ショット | 腹部 · 腕など体幹と四肢 |
ショット数はひとつのチップで照射できる回数であり、その分だけ使えば交換します。施術の強度や効果とは別の仕様です。Face Tipのショット数が多いのも、顔をより強く扱うという意味ではなく面積が広いからです。
一度の施術で何ショット使うかは範囲と皮膚の状態によって異なります。数字が大きいからといって結果が良くなるわけではなく、必要以上に繰り返し通過することはむしろ熱傷のリスクを上げます。
こういう場合に検討でき、こういう場合は難しいです
検討してみる価値のある場合
- 顎のラインがぼやけ、頬が下へ下りてきた感じが主な悩みである場合
- 手術は望まず日常への復帰が早い方法を探している場合
- 注射施術で肌理と密度は管理したもののたるみが残っている場合
デンシティだけでは難しい、または受けにくい場合
- 頬とこめかみが痩せた場合 — 高周波はボリュームをつくりません
- 皮膚が薄く肌理が崩れたことが主な問題 — 注射系が先です
- たるんだ皮膚の量そのものが多い場合 — 非手術機器の範囲の外です
- ペースメーカー · 除細動器などの体内電気装置を使用中の場合 — 高周波は電流を使うため原則として避けます
- 施術部位に金属挿入物がある場合 — あらかじめお知らせください
- 妊娠中である場合、または施術部位に感染 · 活動性の皮膚疾患がある場合
- 最近同じ部位に強い熱施術を受けて皮膚が回復中の場合
上の一覧は相談に代わるものではありません。服用中の薬と疾患によって判断が変わりますので、診療の際にお知らせください。
根拠はどこまで出ているか
デンシティ自体の臨床的根拠
当院が調べた範囲でデンシティという個別の機器について公開された臨床試験結果は確認されていません。ですからこの資料には「臨床的に立証された」「何か月維持される」といった文章がありません。ない根拠をあるかのように記さないほうがよいと考えています。
高周波リフティング一般についての根拠
機器個別の根拠と技術全般の根拠は区別しなければなりません。高周波で真皮を加熱してコラーゲン反応を誘導するという原理は長く使われてきたアプローチであり、研究も蓄積されています。参考になる研究をひとつ紹介しますが、これがデンシティを使用した研究ではないという点をまず明らかにします。
| 使用機器 | モノポーラ高周波 — デンシティではありません |
|---|---|
| 対象 | 健康な女性20名、平均47.95±6.02歳 |
| 皮膚タイプ | Fitzpatrick III〜IV、軽症〜中等度の顔面のたるみ |
| 設計 | 1回の施術後4 · 12 · 24週に評価 |
| 結果 — 12週 | 顎のラインと鼻唇溝において有意な改善 (p<0.05) |
| 結果 — 頬のハリ | 4週から増加 (p<0.01)、24週まで維持 |
| 痛み | 平均 0.4 / 10 |
| 有害事象 | 熱傷 · 瘢痕の報告なし |
この研究の限界 — 著者たちが自ら明らかにしたもの
研究結果は、著者たちが自ら記した限界と併せて読む必要があります。この研究の著者たちは次を明示しました。
- 無作為対照群がありません。前向きの評価者盲検コホート研究であり、比較群と並べて見た設計ではありません
- 対象が少数の女性のみです。20名であり男性は含まれていません
- 他の抗老化技術との比較がありません。他の方式より優れるという結論を出せる設計ではありません
整理すると、モノポーラ高周波という技術が一定の条件で測定可能な変化を出したという資料はあります。しかしそれはデンシティの根拠ではなく、他の機器と比較した根拠でもなく、大規模な無作為研究の根拠でもありません。この三つを混ぜて使えば、その瞬間から広告になります。
施術はどのように進むのか
相談でまず話し合うのはいまの問題がたるみなのか、密度なのか、ボリュームなのかです。たるみが主な問題であるときに高周波リフティングが候補になります。
続いて既往歴を確認します。体内電気装置、施術部位の金属挿入物、妊娠の有無、最近受けた施術と服用中の薬をお尋ねします。形式的な手続きではなく、実際に施術の可否を分ける項目です。
施術当日には洗顔後、部位と設定に応じて麻酔クリームを塗布し、照射範囲を表示したうえで部位ごとに出力と冷却の段階を設定します。額 · 頬 · 顎のライン · 首の条件が異なるため、同じ設定で全体を通過することはしません。照射中は熱感が来ては落ち着く感じが繰り返され、表皮は冷却されるので表面が熱いまま維持されることはありません。施術者はリアルタイムの温度と、患者さんがおっしゃる熱感を併せて見ながら進めます。
他の施術との併用は同じ日にまとめて行わないことを原則としています。フィラーや注射系と併せて計画される際は順序と間隔を分けるほうが安全であり、同じ熱系統の機器であるセルフやオリジオキスをすでに受けておられる場合にも間隔を確認します。
経過 — いつから見えるのか
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当日赤みと熱感照射部位が赤くなり温かい感じが残り、部位によっては軽い腫れが出ることがあります。
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1〜3日ほとんど落ち着く紅斑と熱感はふつう一日二日のうちに整理されます。この時点の顔はまだ施術の結果ではありません。
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1〜2週初期に体感する区間皮膚が少し引っ張られる感じをおっしゃる方がいます。個人差が大きく、この時期の変化が最終的な結果を予告するものではありません。
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4〜12週リモデリングが進む区間コラーゲンの再形成には時間がかかります。実際の変化を判断するのに適した時点はこの区間であり、3か月前後に経過を一緒に確認して追加施術の可否を相談します。デンシティの長期維持に関する資料は確認されていないため、維持期間をあらかじめ断定しません。
痛み · ダウンタイム · 副作用
痛みは部位と設定によって異なります。おおむね熱い感じが短く通り過ぎる形であり、骨に近い部位や皮膚の薄い部位でより大きく感じられます。先に紹介したモノポーラ高周波の研究の平均痛みは0.4/10でしたが、それはその研究の条件で出た数字であり個人差が大きいものです。
ダウンタイムはおおむね短く、赤みが落ち着けば日常への復帰に無理のない場合が多いです。ただし当日の赤みを考えて大切な予定の前には数日の余裕を置かれるほうがよいでしょう。
- 当日の洗顔はぬるま湯で軽く、サウナ · 激しい運動 · 飲酒は避けること
- 紫外線対策を徹底し、保湿を十分に、強いピーリングは皮膚が安定してから
- 水疱や痛みの残る部位があればこすったり潰したりせず受診すること
参考資料
- Suh D·H et al. Efficacy and Safety of Monopolar Radiofrequency for Tightening the Skin of Aged Faces. Cosmetics 2024;11(3):71. モノポーラ高周波の顔面リフティング効果を評価した前向きの評価者盲検コホート研究(女性20名、1回の施術後24週追跡)。デンシティを使用した研究ではありません。著者たちは無作為対照群の不在、少数の女性のみを含む標本、他の抗老化技術との比較の不在を限界として明らかにしました。
- デンシティ(Density)製品情報 — ジェイシスメディカル公開資料。順次照射の構造、最大出力400W、RICインピーダンス自動調整、ガス冷却5段階、チップ4種の構成および保証ショット数。
- 高周波エネルギーによる真皮コラーゲンの熱変性とその後のリモデリング反応に関する皮膚科学の一般文献。即時の収縮と遅発性の新生コラーゲン形成という二重の機序。
- 韓国食品医薬品安全処の医療機器の許認可および医療広告事前審議制度のご案内。品目許可番号と医療広告事前審議番号の区分。
- ミソ医院 診療指針 — 適応の判断基準、部位別の出力 · 冷却設定、禁忌確認の手順、施術前の事前説明および同意。
よくあるご質問
一度だけ受ければよいのですか、複数回受ける必要がありますか?
施術はかなり痛いですか?
熱傷が生じることはありますか?
効果はどのくらい維持されますか?
デンシティは臨床試験で検証された機器ですか?
セルフやオリジオキスと比べるとどちらが優れていますか?
受けられない場合はありますか?
費用はいくらですか?
作成した医療機関
この資料は大邱ミソ医院院長李致学(イ・チハク)が作成 · 検討しました。ミソ医院はリフティング機器と注射系を併せて備え、問題の種類に応じて分けて使います。たるみには機器が、密度と肌理には注射が先である場合が多いです。他の高周波機器の資料はセルフとオリジオキスに、注射系の比較はコラーゲンブースター7種の比較にあります。全体の一覧はミソ医院 診療資料室でご覧いただけます。
| 院長 | 李致学(イ・チハク) |
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